オルソケラトロジーとは

特殊な形状のハードコンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズ)を就寝時に装用して近視を矯正する治療法です。
2002年にアメリカのFDA(米国食品医薬品局)で認可を得ています。
オルソケラトロジーによる近視矯正の効果や安全性に関する研究が、現在世界中で行われています。特に欧米や中国を中心に海外では、未成年者に対して近視進行抑制を目的として積極的に処方されつつあり、その効果や安全性についての成果も発表されています。

コンタクトをつけているのは就寝中だけですので、日中は裸眼で生活でき、手術の必要もありません。

オルソケラトロジーのイメージ

オルソケラトロジーの仕組み

いくつかのカーブを組み合わせた特殊な形状のハードコンタクトレンズを就寝中に装用し、角膜の前面形状をやや平らに変化させ、近視を矯正します。
※日中はレンズを装用しません。

オルソケラトロジーの仕組み

他の矯正方法との違い

長所 短所
眼鏡
  • 手軽にかけたりはずしたりできる
  • 手入れが簡単である
  • 激しい運動には不向き
  • レンズがくもったり、視野が狭くなったりする
コンタクトレンズ
  • 強い近視や乱視・遠視でも矯正できる
  • 容姿に影響を与えずに使える
  • 眼鏡に比べると手軽に付け外しできない
  • 水泳の際にはゴーグルが必要
オルソケラトロジーレンズ
  • 日中は裸眼で過ごせる
  • 中止すれば2週間程度で元の角膜形状に戻る
  • 夜間に継続してレンズを装用する必要がある
  • 強度近視や乱視・遠視は矯正できない
レーシック
  • 常に裸眼で過ごせる
  • ケアの手間や追加費用がかからない
  • 外科手術が必要で、元の角膜形状には戻せない
  • 18歳以上でないと手術を受けられない

こんな方におすすめです

メガネやコンタクトの煩わしさから解放されたい方に

日中のコンタクトレンズ装用や、メガネをかけることに抵抗がある。
乾き目や花粉症などでコンタクトレンズの装用が困難。
このようなメガネやコンタクトの不快感から解放されたい方におすすめです。

スポーツを快適に楽しみたい方に

オルソケラトロジーは特に動きの激しいスポーツや、水泳、サーフィンなどの水中スポーツを楽しむ方におすすめです。

レーシックなどの屈折矯正手術に抵抗がある方に

「目の手術するのは…」
手術によって視力を改善するのは、ちょっと。。。という方、オルソケラトロジーは手術の必要がありません。
レンズの装用をやめれば角膜は一般的に2週間程度で元に戻ります。

治療の流れ

※本治療は保険対象外、自由診療です。

1.適応検査・トライアルレンズ装用
※別途、検査費用が必要です。
オルソケラトロジーレンズの装用に適しているか、近視の度合いや眼の健康状態を調べる「適応検査」を受ける必要があります。
適応検査で問題なければ、トライアルレンズを装用します。
  • レンズの装脱着が出来るか?
  • オルソケラトロジーレンズの効果を体感
  • オルソケラトロジーレンズのフィッティング確認
2.お試し装用【約1ヵ月間】
※お試し装用開始前に、お試し費用のお支払が必要です。
個々の眼の状態に応じた「専用レンズ」を1ヵ月間、お試しで装用体験できます。1ヵ月分のケア用品もついてきます。
お試し装用に満足されなかった場合、お試し装用開始後1ヵ月以内はキャンセルが可能です。
※キャンセルとなった場合は、お試し費用を一部返金します。
治療の継続を希望するか決めていただきます。
3.治療継続の場合
お試し装用に満足され、治療を継続される場合は、追加費用をお支払いいただき、本治療を実施します。

※治療を継続している間は、3ヶ月ごとの定期検査受診が必要です。

4.定期検査の受診
治療を継続している間は、3カ月ごとに定期検査の受診が必要です。
※治療を継続しない場合は、治療用レンズを返却していただく必要があります。
※治療の継続を希望しても、眼の健康状態などにより、治療を続けられない場合もあります。

注意事項

  • レンズの紛失時は、別途レンズ費用が必要となります。
  • 2回目以降のレンズの破損時は、別途レンズ費用が必要です。
    ※1年以内の破損は左右1回に限り無料で保証します。
    但し、破損レンズの半分以上の返却が必要です。
  • 最低でも2年毎のレンズの買い替えをお勧めします。

レンズの使用に関する注意事項

  • オルソケラトロジーレンズは、眼に直接のせて使用するものです。
    取扱い方法を誤ると重い眼障害につながることもあります。また、適切に使用しないと目的とする裸眼視力の矯正が出来ません。
    安全に装用するために、取扱説明書をよく読み、以下の場合について、眼科医の指示に必ず従ってください。
    ◎健康状態の変化により、装用中止を指示する場合がありますので、その指示に従ってください。
    ◎レンズ検査で、継続して使用不可能と判断した場合は、その指示に従ってレンズを交換してください。

その他の注意事項

  • オルソケラトロジー治療中に、眼科医が必要と判断した眼科的治療を受けてください。
    ※眼科的治療に対する費用は別途かかります。
  • 本治療は保険対象外、自由診療となります。
  • 医療費控除の申請が可能です。当院から発行した領収書は大切に保管してください。
オルソケラトロジーの注意事項

レンズケア

オルソケラトロジーレンズに限らず、ハードコンタクトレンズはレンズの洗浄が十分でなかったり、 レンズケースが清潔でなかったりすると、角膜感染症を起こすことがあります。
もし緑膿菌やアカントアメーバによる感染を起こした場合、視力が低下してしまう可能性が あります。
この角膜感染症は通常のハードコンタクトレンズでも起こるものです。ただ、オルソケラトロジーレンズは通常のハードコンタクトレンズよりも形状が複雑な為、よりしっかりしたケアが必要になります。

  • オルソケラトロジーレンズ取り扱いの際、石鹸で手を洗う
  • 毎日、装用前にアミノソラでしっかりこすり洗いをしてから水道水ですすいで装用(夜)
  • 毎日、装用後にアミノソラでしっかりこすり洗いをしてから水道水ですすいでアミノソラで保存(朝)
  • 2週間に1度はプロージェントを使い、タンパク質、無機質を除去
  • レンズケースは3ヵ月毎に新品に交換する
  • レンズ状態チェックの為、定期検査の際、レンズをレンズケースに入れて持参する
    ※当院では最低でも2年毎のレンズの買い替えをお勧めします。

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